1. 「フルサイズってどれも高くない?」──その感覚は正しい
フルサイズカメラを調べ始めると、多くの人が最初に思うこと。
なんでどのメーカーもこんなに高いの?
もっと手頃なフルサイズってないの?
結論を先に言うと…
2. フルサイズが高いのは“構造的にそうなるようにできている”ため
これはメーカーの価格設定が強気だからではなく、
センサーサイズ・レンズ設計・市場構造すべてが影響している。
つまり
「高いのは当たり前」
というジャンル。
なぜそうなるのか、順番に噛み砕いて解説する。
① センサーが巨大だから原価が高い(最大の理由)
カメラの心臓部である イメージセンサー。
フルサイズは
APS-C や Micro Four Thirds の 約2〜4倍の面積 がある。
半導体は 大きいほど歩留まりが悪く、原価が跳ね上がる。
- 面積が大きい
- 製造が難しい
- 不良率が上がる
- コストが増える
この連鎖で、
フルサイズは製造段階から高くなる宿命 を背負っている。
“本体価格が高い理由”の70%くらいはここにあると言っていい。
② 大きなセンサーを活かすには“大きなレンズ”が必要
センサーが大きくなると、
セットで必要なのが 大口径レンズ。
これがまた高い。
なぜ高くなる?
- 口径(ガラスの直径)が大きくなる
- レンズ枚数が増える
- コーティングが増える
- 精度が要求される
つまり
センサーだけでなくレンズ側の原価も爆上がりする。
フルサイズの本体だけ安く提供できても、
“レンズが高い” のでシステム全体では必ず高額になる。
③ プロ向け仕様=開発コストが高い
メーカーはフルサイズに
最新技術を全投入 する。
- AF(瞳AF・動物AF・AI補足)
- 手ぶれ補正ユニット
- 画像処理プロセッサ
- 防塵防滴構造
- 放熱・耐久性
- 高精度のメカ構造
これらの技術は安く作れない。
研究開発費も含めると自然に価格が上がる。
フルサイズは“プロの仕事道具”でもあるため、
妥協しない設計=価格が高い
という構図が続いている。
④ カメラ市場が縮小 → 高級路線に集中せざるを得ない
スマホの普及でコンデジは消滅。
中級機も減り、メーカーは 利益の出やすいフルサイズ へシフト。
つまり…
「安いフルサイズ」は作る意味がない
という市場構造になってしまった。
量産して価格を下げる戦略が使えないため、
フルサイズは高価格帯が基本路線 になっている。
⑤ RAW編集・暗所性能など“高性能を使い切るには環境が必要”
フルサイズは確かに強い。
しかし、その性能を引き出すには 追加のコストや環境 が必要になる。
例えば:
- RAW編集用のPC
- Lightroomなどの有料ソフト
- 大容量ストレージ
- 高性能レンズ
つまりフルサイズは
本体以外にもコストがのしかかる仕組み になっている。
「高いのは本体だけではない」というのが現実。
⑥ 軽く・安く・手頃に作ると“フルサイズの良さが消える”
仮にメーカーが
「もっと安くて軽いフルサイズを作ろう!」
と思っても、以下の問題が起こる。
- センサー品質が落ちる
- レンズが暗くなる
- 手ぶれ補正が弱くなる
- 防塵防滴が削られる
- RAW編集耐性が落ちる
つまり、
フルサイズのメリットが失われる。
軽く作るならAPS-CやMFT、
安く作るならスマホに勝てない。
結果として
“良いものを作る=高くなる”
という必然に戻ってしまう。
3. 結論:フルサイズは“全部高い”。それは欠点ではなく特徴。
ここまでの内容をまとめると、
✔ フルサイズは高くて当然
✔ センサー原価が段違い
✔ レンズも大型化し高額
✔ プロ向け技術の塊
✔ 市場が高級路線に集中
✔ 本体以外の環境コストも必要
つまり、
フルサイズは「特別なジャンル」 であって、
“安いフルサイズ”は構造的に存在しない。
高いと感じるのは正常で、
むしろそれが正しい理解。
4. フルサイズはどんな人に価値がある?
メリットを活かせるのはこんな人。
- 暗所撮影に強くなりたい
- ペット・人物を大きくボカして撮りたい
- RAW編集をする
- 風景・逆光で階調を残したい
- 写真表現の幅を最大化したい
つまり、
性能を“引き出す覚悟がある人”にとっては最高のツール。
逆に、
- 撮って出しで十分
- 軽さが重要
- レンズ沼に入りたくない
という人には無理して選ぶ必要はない。
5. 【主要メーカーの特徴(フルサイズ)まとめ】
● SONY
→ 万能型。AF最強。写真も動画も高水準でこなすオールラウンダー。
● Nikon
→ 階調・色の深さが魅力。写真の“気持ちよさ”で選ばれるメーカー。
● Canon
→ 人物・ペットの撮って出しが綺麗。操作がわかりやすく初心者に優しい。
● Panasonic(LUMIX)
→ 動画性能に強い。手ぶれ補正が圧倒的で、Vlogとの相性が良い。
● Leica(ライカ)
→ 価格は桁違い。操作と画作りが独特で、所有体験に価値を置くブランド。
● Sigma(fpシリーズ)
→ 特化型。コンパクトで個性的。写真と映像の自由な表現向け。
メーカーごとに方向性がはっきり違うため、目的に合った選び方が重要です。
▼ 次に読むべき記事
フルサイズが高くなる理由の“仕組み”が分かると、次は「どう選ぶか」を考える段階に入ります。
ここから先は、目的に合わせて読み進めると判断が一気に楽になります。
▼ フルサイズとは何か?(まず基礎を整理したい人に)
▼ 同じ30万円でも意味が違う(価格の本質を知りたい人に)
▼ SONY・Nikon・Canon・Panasonic 比較まとめ(メーカーの違いを知りたい人に)





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