■ フルサイズとは何か?まず押さえるべき基本
カメラのスペック表を見ると必ず目に入る「フルサイズ」という言葉。
これは 35mmフィルムと同じ大きさのセンサーを搭載したカメラ を指す。
センサーは“光を受け取る受け皿”なので、大きいほど光を多く拾え、
画質・暗所性能・ボケ・階調の余裕が大きく変わる。
APS-C や Micro Four Thirds(MFT)との違いはまさにこの「受け皿の大きさ」。
図で説明しなくても、
“大きい方が有利”
という感覚があれば十分理解できる。
1. フルサイズの“圧倒的な強み”
フルサイズが多くの人に憧れられる理由は、
このサイズならではの光の余裕にある。
● ① 暗所性能が別次元(ISO耐性の高さ)
センサーが大きいぶん光を多く取り込めるため、
暗い場所でもノイズが出にくく、
夜景・室内・イルミネーション・動く被写体に強い。
特に夜のペット撮影や散歩写真で、
“歩留まりが一気に上がる” のがフルサイズの特徴。
● ② 背景ボケが大きく、立体感が出る
同じF値でも、フルサイズは 背景がよくボケる。
被写体が浮き出るように見える理由はここにある。
ポートレート・ペット写真との相性は抜群。
● ③ ダイナミックレンジが広く、光の表現に強い
「白飛びしにくい」「黒つぶれしにくい」
これが階調の余裕。
逆光や明暗差の大きいシーンで、
フルサイズは情報がしっかり残るため、後から補正しやすい。
● ④ RAW編集で破綻しにくい(情報量の余裕)
フルサイズは RAWの情報量が多く、編集の自由度が高い。
- 影を持ち上げても荒れにくい
- 色編集で破綻しにくい
- 明暗差の強い写真でも救済しやすい
これは“センサーの余裕”によるもの。
2. RAW編集耐性は“環境がある人だけのメリット”
ただし、このRAW編集耐性は
誰にでも恩恵があるわけではない。
RAWは“生データ”なので、
その力を活かすには下の環境が必要だ。
● 必須①:RAWを快適に扱えるパソコン
JPEGの数倍重いデータを扱うため、
処理速度の遅いPCではストレスが大きい。
● 必須②:編集ソフト(Lightroomなど)
RAW編集には専用ソフトが必要で、
無料ソフトでは満足できない場合も多い。
● 必須③:編集する習慣・時間
RAWは“後処理前提”なため、
JPEGのように撮ってすぐ完結はしない。
★ RAWを使わない場合、フルサイズの恩恵は半分
もし…
- JPEG撮って出し中心
- 編集はしない
- スマホ転送して終わり
- PCを持っていない
というスタイルなら、
RAW編集耐性というフルサイズの利点は生きにくい。
この場合は、
- JPEGの色の好み
- AF性能
- 手ぶれ補正
- レンズの描写力
こういった“撮った瞬間の仕上がり”を重視した方が満足する。
★ RAWを使う人にはフルサイズは圧倒的に強い
PCとソフトが揃っていて、編集まで行う人にとって、
フルサイズのRAWは本当に強力。
- 逆光
- 暗所
- 光が複雑なシーン
- 芸術寄りの写真
こういった撮影で 編集の伸びしろが違う。
3. フルサイズの弱点と注意点も理解する
強みだけで判断すると後悔するため、
弱点も正直にまとめる。
● ① 本体とレンズが重い
特にレンズの大型化は避けられない。
旅行や散歩用途では負担になりやすい。
● ② システム全体の価格が高い
フルサイズは “高くなるように作られている”。
本体だけでなく、レンズもAPS-CやMFTより高額。
● ③ 初心者にはオーバースペックになりやすい
フルサイズの性能を活かし切れず、
宝の持ち腐れになる人も多い。
● ④ 気軽さがない
軽快にパッと持ち出すタイプの撮影は苦手。
4. フルサイズはどんな人に向いている?
フルサイズの価値を最大化できるのは以下のタイプ。
● ① 暗所・夜景を本気で撮りたい人
室内・夜のペット撮影など。
● ② 背景ボケを活かしたい人
ポートレート・ペット写真向け。
● ③ RAW編集を行う人
編集耐性の強さが圧倒的な武器になる。
● ④ 光や階調の表現にこだわる人
逆光・風景・作品寄りの撮影。
● ⑤ 将来ステップアップしたい人
表現の幅が非常に広い。
5. 用途で判断すれば迷わない(まとめ)
フルサイズは“誰にでも必要なカメラ”ではない。
ただし、必要な場面では圧倒的に強い。
軽さより画質優先 → フルサイズが最適解
旅行中心 → 小型センサーでも満足度は高い
家族・ペット・人物 → フルサイズが光る
動画中心 → メーカーで相性が変わる


コメント